たこ焼き屋 改め たい焼き屋 in ジャパン・フェスタ ’08 を振り返って 編
2008年3月1日
今年もジャパンフェスタに出店してきました。これで3度目で、3月の恒例イベントになってますね。
左) 自宅で試作を作った時の写真
試作を作る = 業務用なので大量 = 全部食べるなので、
家族総動員です。(笑)
意外に3個も食べたら、腹いっぱいなんですよ。
けど、毎回無理してでも、5個は食べ比べしてるんです。
そんな夜は、夢でタイヤキに追いかけられるんですよね。
恐るべし タイヤキ家のたいやき
右) Japan Festa の案内
去年の話
今回のジャパンフェスタ出店のレビューを書くにあたって、
最後の出店の感想(2007年5月の「たこ焼き屋 in こどもの日フェスティバル ’07 を振り返って 編」)を懐かしく読み直した。
「たこ焼き屋が最後かも」と書いてある。
僕自身、久しぶりに読んで懐かしかったので、ちょっと抜粋
このたこ焼き屋を始めたきっかけと言うのは、
学生時代には自分の目指す「ビジネスを始める」「店をオープンする」という事が出来ないので、
小さい事でも色々と感じる事が出来れば、と言う思いからだった。
最近は、本職の料理人(chef)としての仕事も忙しく、その合間にやっているcateringをはじめとするビジネスも、これ又忙しい状況で、
「そろそろ自分の本当に目指す方向にさらに前進しな・・・」と感じてきている。
そんな状況の中、来年の今頃を想像すると、「当初から目指していた目標の間近にいる」だろうし、
そうなると、このたこ焼き屋は、今回が最後かもしれないなーと思って、そんな気持ちで参加させてもらった。
と、書いてある。
今だから言えることだけど、実はこの当時(2007年5月頃)、2008年にレストランを始める事が確定していた時期だった。
とあるレストランを take over して、そこを僕のイメージする日本食レストランにして(もちろん名前は河童堂?笑)、オープンさせる予定だった。
そこのオーナーと、そういう話をしていたのだ。
2008年7月頃にオープンさせようと思っていた。
それまでに、メニューやレシピ等も完成させていこう。時間的も1年とゆとりがあるし、気持ち的なゆとりにもなる。
しかも、場所によって、ターゲットややり方を変えなくてはいけない部分もあるが、出店する場所が決まっているので、非常に好都合だと思っていた。
そんな気持ちだったので、たこ焼き屋は、最後に出店になるなーと思っていたのだ。
ちなみに、そのレストラン出店の話は、そこのオーナーの気持ちの変化?があり、その1ヶ月後には消えてしまった。
きっと話が流れなければ、僕自身はレストランオープンに向けて今頃、最後の追い込みに入ろうとしていたと思うが、
結果、白紙撤回になり、僕の気持ちは空気の抜けた風船のようになり、「レストランをオープンするって、どうなんだろう?」って、思うようになった。
今、振り返ってみると、この一件の出来事は色々考え直すきっかけにもなり、良かったと思っている。
と言うのは、その後2007年9月にフルタイムのシェフの仕事を辞める事にもつながるのだけど、
日本で働いていた時は、夜や週末、祝日が休みの普通の生活をしていたのに、オーストラリアに来て、
その多くの人達が休んでいる時間帯 (=レストランの最も忙しい時)に働かなくてはならない生活と言うのは、どうなんだろうか?
特に、当時3人目のAIの妊娠がわかった事もあり、海外の不自由な生活の中で、
SUMINに3人の子育てという任務をすべて任せきるのは、どうなんだろう?
そんな事を強く感じるようになり、もし、今レストランを始めたら、
3年も5年も10年も、家族とは別々の時間の生活を続けながら、突っ走り続けなくてはならない。
「子供が中学、高校生になったら、彼等が店のヘルプをしてくれるので、よく移民はレストランを家族でやっているのよ。」
と言う言葉をふと思い出し、そういうレストランにするつもりはないんだけど、レストラン開店はそんなにあせらなくていいかナーと思うようになった。
それが、去年(07年)の6月頃の話。
そして、7月頃から、新しいレストラン経営とは違うビジネスに目が向いていき、そのビジネスで今に至るのだ。
皮を見ると、チープな感じのクリスピー感が出てるでしょ。
これが、タイヤキの生地のポイントなんです。
普通に生地を作ると、ホットケーキみたいに、ふわふわになっちゃうんですよ。
それは、それで美味しいのかもだけど、タイヤキ = クリスピーな皮というのがあって、
やっぱり本物に近づけなくちゃ と思うんですね。
日本では、もうタイヤキの粉というのが売っていて、自分で調合している人って少ない。
ネットで公開されているタイヤキのレシピも、家庭向けでは合格レベルだけど・・・・
と、いった感じで、長いブランクがあるけど(ブランクがほとんど)、2年間かけて、作りました。
反応も良かった。
タイヤキをするきっかけ
おっと、あまりに脱線してしまった。
本題のジャパン・フェスタなんだけど、そんな理由もあり、約1年前の出店時は、これを最後にしよう、との方向性があった。
結果的にその時の状況とは変わり、年が変わって08年になったのだけど、たこ焼き屋の活動は一旦休業の気持ちは変わらなかった。
ただ、僕はお祭り大好き男なので、「何かしたい、新しいチャレンジをしたい。」という強い気持ちは変わらずあり、鯛焼きに挑戦する事にしたのだ。
それを本格的に考え出したのが、去年の10月に日本に帰国した時の事。
ビジネス視察で日本を周っていた時、福岡で複数飲食店を経営されている社長さんに2日間一緒させていただいた。
その社長さんが経営されている店の1つに、天神という福岡の繁華街の真ん中で 「ムッちゃん饅頭」と言うファーストフード店を
運営されていて、そこで食べた看板商品のムッちゃん饅頭が忘れられなかったのだ。
ムッちゃんというのは、魚のムツゴロウの事で、その(鯛焼きよりちょっと太めの)ムツゴロウの型に、鯛焼きと同じ様に生地が入り、
中にハムと卵とマヨネーズが入った食べ物なのだ。(それ以外にも色々と具が選べる)
饅頭と名前はついているが、和菓子的なイメージより、どちらかと言うと、鯛焼きの変形バージョンと説明した方が理解し易いと思う。
福岡で食べた瞬間、「めっちゃ、マヨネーズと卵の組み合わせが絶妙、普通に何処でも手に入る食材だし、これはいける!」と思った。
しかも、「これは、オーストラリア人でもいける!なんせ、マヨネーズが好きだし、食材もオーストラリア人の朝食に似ているではないか!」
これが、噂のムッちゃん饅頭
太いのが特徴
そんなきっかけになる事があり、又、採算度外視で輸入した(はい物好きなんです)業務用の鯛焼きの機械があるので
その鯛焼き機を使って、フェスティバルに出ようと思ったのだ。
実は、輸入して間もない2006年11月に、一度だけローカルのフェスティバルに鯛焼きを出店していたのだけど、
その時は、正直、そんなに美味く出来なかった。
生地もいまいち、作り方もいまいちだったのだ。
そこで、今年に入ってから、生地作り、そして、新しいタイプの鯛焼きを完成する為のプロジェクトが始まった。
1年半前の祭りの時は、理想の生地を作るのに苦しんだのだけど、今回は早い段階で納得のいく、生地が出来た。
生地の表面に、鯛焼きのチープな感じのサクサク感が出せたのだ。
中に入れる具も、一番候補である、卵とハム、マヨネーズの組み合わせや、ツナ(シーチキン)とチーズの組み合わせ、
カスタードクリーム等、色々と試した。
卵とハム、マヨネーズの組み合わせは、予想通りかなり美味しかった。
「やっぱり、これはいける!」
ただし、一点問題が発覚した。
鯛焼きの型が平目のように平べったいので(たい焼きはどれもですが・・・)、卵が生地全面に広がる。
しかも、上下の生地同士がノリの様になって、中の具を封じ込めるのが本来の鯛焼きつくりの流れなのだが
卵が広がり、きれいにくっつかない&卵がはみ出るのだ。
はみでた卵が目玉焼きのようになへたになって、それがまた美味なのだが、売り物で見た目も大事なので、最終的に商品化できずにボツに。
もう1点の商品化候補のシーチキン(ツナ缶のマヨネーズ和え)とチーズは、最終候補に残り、本番の3日前に最終版試作を作った。
しかし、どうも味にインパクトが足りない。たい焼きの王道「あんこ」と比べると、具にパワーがないのである。
これは、商品化するべきではない。そう思い、本番用の食材をすべて買い込んでいたが、キャンセルにした。
個人的には、伝統的な鯛焼きだけじゃなくて、オリジナリティーを出したかったけど、
お客さんが口にした時の満足度を考え、伝統的なあんこ入りの鯛焼き一本でいくことにした。
けど、この選択は成功だったかナーと、今では思う。
本番には、かなりの行列が出来ていて、とてもじゃないけど、焼き分けが出来る状態ではなかった点、
過去に、たこせんや、変り種たこ焼きをトライしたけど、結局、オリジナルが圧倒的に人気だった点
(海外でオリジナルでさえも食べる事が出来ないから、やっぱりみんなオリジナルを食べたい、って思うんでしょうね。
日本だといつでも食べれる、どこでも食べられる、と言うのがあるので、変わったものでないと売れないけど・・・・)
こんがり焼けた色加減も、又、最高でした。
祭り 本番の日
祭りの当日、今までの流れを大きく変えていきました。
今まで参加した祭りでは、「プロフェッショナルに徹していこう!」と意識していたけど、その逆で行きました。
わかりやすく言えば、「オージー的に行こう。」と。
彼等と仕事をしていて思うんだけど、彼らがフェスティバルに参加する場合、
「まずは自分達が楽しくなくちゃ。それで、お客さんもその楽しさに巻き込んじゃえ。」
見たいなノリがあって、そのノリでで行きたかった。
今までは、日本的に、「お客さんに楽しんでもらうのが、お客様商売です。」だったから、180度方向転換。
俺達は、たい焼きにしても、たこ焼きにしても作るの大好きだし、セミプロやと思っているけど、
そんなんどうでもええやん。せっかく祭りなんだから、当日はとにかく楽しくやろうよ。
そういった力の抜けた感じで取り組めたのは、逆に新鮮で、今回のたい焼き出店は非常によかった。
同時に10匹しか焼けない。しかも、たこ焼きのように、次から次へと作業する必要がない。
比較的、のんびりと作業ができる。
おのずと、自分の作業だけでなく、全体を見られるのだ。
価格表なんかも、ダンボールにマジックで手書き、これ又かなり素人っぽい。これも、楽しかった。
そんな色々な経験が出来たジャパンフェスタでした。
左) 毎年恒例ののれん「たこ焼」の、「こ」の部分に「い」と上から貼り付けて、
「こ」が転がって「い」になりました。なので、今年はたい焼
と、
そして、タコを食べる魚を縫い付けて、
たこ なんて、俺が食ってやる!今年は鯛の時代じゃ!
って、紙を張ってました。
右) 焼き台の前には、これまた特大ダンボールを使用して、
食べたい・見たい・買いたい たい焼き
なんて、書いて。
この非常に素人が祭りの為に作った感じが、今回の狙いでした。
業務用の機械を輸入すると規格も違うし、色々費用がかかり高いんだけど、
それでもやってよかったと思います。
目の前で、食文化を見せられる、それがパフォーマンスになるので、
個人的に、大好きなんです。(見るのも、見られるのも)
で、ジャパンフェスタの祭り自体は、今年はどうだったのだろう?
残念ながら、毎度のことですが、ほとんど、自分の店のあるテントを出ていないので、全体の雰囲気がどうだったかまったくわからない。
隣の冷やしうどんは、最高にうまかった。しかも4ドル。
あと、うちがたこ焼きを出さなかったので、どこかがだこ焼き屋を出店していたようで、それも食べてみたかったな。
それくらいかな。
ちなみに、次回は、5月頭のこどもの日フェスティバルでもう一度たい焼きを出したいナーと思っています。
食べたい人がいたら、来てください。
この2つの写真は、プロのカメラマンに撮影してもらいました。
Special Thanks to Andrew
www.asbcreative.com
ささやき
前回まで祭りに出店していたたこ焼き屋には、1回の祭りで10以上のヘルプの人をお願いしていた。
大勢でやってると、活気があり、祭りらしさもあり好きでした。
が、実際問題、店を持つとしたら(たこ焼きでは持たないが・・・)こんなに大勢いたら、確実に赤字。
もっと、少数先鋭部隊で行かなくてはいけない。そんな事もヴァーチャル的にトライしてみたかった。
実際、今回は僕を合わせて3人で作業をこなしたのだからすごい。しかも、2人にまで減らせる事もわかったし。
そんな側面でもいい勉強になりました。
2008年3月16日 公開
KAPPA