ビザの選択肢 ~永住権申請への道の途中で~

オーストラリアに来てから、始めての人生の大きな選択肢を迎えた。
永住権取得へのアプローチ方法が2つに増えたのだ。

どんな選択肢があるかというと、

1. 2年目も学生として継続し(total2年、あるいは2年半)、そこで獲られた学歴・資格を元に、
  新卒独立永住ビザ(サブクラス880)を申請する当初の計画通りの方法

2. SIR(地方限定の永住権につながる一時滞在ビザ・サブクラス495)を申請し、
   引き続き2年のアデレード滞在&1年以上full timeの仕事をして、永住権にアップグレードする方法

なぜ、候補が増えたかというと、2005年7月から、アデレードを含む地方の技術移民促進の為、
SIRビザ(地方限定の永住権につながる一時滞在ビザ)申請者は、10点のボーナスポイントがつくようになった。
つまり、110点のボーダー(永住権は120点)だったSIRビザに、105点や110点しか、取れなかった人が申請できる事を意味するのだ。

運が良い事に、僕は日本での仕事を辞めたのは、2005年2月末になっているので、
現在はオーストラリアで学生をしているが、「過去3年のうち2年以上仕事をしている事」という必須条件をクリアすることが出来るのだ。

そうすると、
  年齢点     25点
  英語力     15点(20点)
  職種店     50点
  職業経験点   5点
  大学卒      5点
  ボーナス点  10点

 合計      110点(115点)


となり、新しい10点のボーナス点のおかげで、SIR申請の基準をクリアするのだ。

学生として、2年間~2年半過ごす覚悟で来てはいるが、やはり無収入でこれだけの期間を過ごすと、日本で貯めた貯金はほぼ底をつく。
(特に、年間130万円する学費が、他州や他の専攻より割高)
「サー!次のステップ、店を持つぞ!」という時に、手持ちのお金がないことになりかねない。

SIRに切り替えることが出来、来年から働けるという事になれば、減る一方のお金を、貯金までは出来なくても、プラスマイナス0にしてくれる。
そして、早い段階から仕事に取り組むことによって、自分の次のステップである自分の店に対しても、より本格的に動きやすくなることも意味する。



ただし、実はそう簡単にうまくいかないのである。
当たり前の話だが、僕がSIR(地方の永住権につながる一時滞在ビザ)を申請できるのは、
前職の Sales Representative(Medical & Pharmaceutical Products)-医療・製薬の営業マン- という職歴・経験を通してなのだ。

はたして、日本でやってきた仕事と同じレベルをオーストラリアで出来るのか?
日本の医療・製薬業界の現状は、厚生労働省のおかげで、薬や器具の承認が他の先進国と比べて非常に遅い。
自社のサイ○ァーと言う非常に画期的な製品が日本で出たのは、ヨーロッパから遅れる事4,5年、FDAが厳しく管理&規制しているアメリカより遅れる事1年半。
それも学会の強い押しがあって特例的な速さで、この差なのだ。
「サイ○ァーが発売されていないのは、世界で日本と北朝鮮だけ」 
笑い話にならない笑い話がある国で営業していたのだ。日本で発売される頃には、海外では次世代のデバイスが発売されている。
日進月歩で進歩する世界では、致命傷である。
これがオーストラリアと日本が反対の状況なら、経験や知識を生かせるのだが・・・
しかも、営業という言葉が重要なfactorの職種において、僕の英語力では大きなマイナスポイントである。
Wパンチなのだ。

ただ、そんな事は、最初からわかっていたので、CAREER EXCHANGEを決断して、やってきたのだ。
前職の経験をオーストラリアで来年やってみようか! と、思った訳ではないのだ。

実は、SIRを取得後、仕事がfull timeで働けるようになるので、(新米)cookとして、働こうと思ったのだ。
SIR取得後、entryした職種以外で仕事をしても良いのかと最初思っていた。
確かに他の職種につく事自体は、SIRビザで禁止はされていない。
つまり、o.k.なのだが、その2,3年後の永住権へのアップグレード時の取り扱いが非常にグレーなのだ。
ビザエージェント3件に確認して、他の職業で働いても「大丈夫!」と太鼓判を押してくれたところはなかった。

SIRビザは、2年間地方に滞在し、1年以上フルタイムで働く条件を満たしたら、永住権にアップグレード出来ますよ。
という2段階のシステムのビザなのだが、永住権へのアップグレード時に、SIRビザを申請した時と同じ職種である事が基本なのだ。
それでないと、永住権にアップグレードが出来ないかもしれないのだ。
(まー、非常に当たり前である。入ってしまえば、どんな仕事でもO.K.なんて、そんな虫のいい話はない。
申請した職業の人達が欲しいから、オーストラリアや州政府はSIRを許可しているのだから)

・The main applicant should work in his nominated occupation (if you are to progress to a PR Visa under this scheme)
・It is expected that candidates will be employed in a skilled occupation.
・It is expected that SIR visa holders be employed in their nominated occupation for which they were sponsored.
・It is also expected that SIR visa holders work in their nominated occupation.


南オーストラリア州政府や移民局、ビザエージェント等、どこも上記の様に書いているのだ。
なんだ、結局だめではないか。
やはり、学生を続けよう。お金を使うのは、自分への投資!
現場レベルの調理技術だけでなく、マネージメントも習うのは、今後の自分の店にとっても非常ににプラスだ。
初心貫徹。 自分の店を持つ事を目指して!  そう決断しなおした。


けど、調べ方が足りなくて、「えっ、そんな事、可能だったの?」と後々後悔するのも嫌なので(ただのあきらめの悪い人間か!?)、
さらに色々と調べてみる事にした。
そんな中、SIRを取得後、cookとして現地のレストランで働いても、永住権にアップグレード可能ではないか?と解釈できる文が出てきたのだ。

移民局の 
How can you apply for permanent residence if you hold a SIR visa?(SIRビザを持っている場合、どのように永住権を申請できるか?)というページの中で、
SIRビザ申請時に技術査定を受けているので、Skills do not need to be re-assessed (技術査定を再度受ける必要なし)と書いてある。
そして、次の文だが、
If you nominate a different occupation then a new skills assessment is required.
(もし、違う職種で申請する場合、新しい技術査定が必要である。)とある。
つまり、移民局は、僕の様なSIRビザ申請時と、永住権アップグレード時と職種が違うケースも想定していると言う事だ。

僕は、現在の1年目のcommercial cookeryの学習が終わると、900時間の実務経験は必要だが、cookとして技術査定を受け、認められる予定だ。
普通の人が、cookとして1年働いても、経験年数が足りなくて技術査定さえ受けれないが、
学校に1年通いオーストラリアでの資格をえる僕にとって非常にメリットでは!
(新米)Cookとしてなら、現地のレストランで職を見つけて、働く自信がある。

けど、これはまったく僕の都合の良い解釈である。
これを裏づけ出来る様、色々と調べよう。

と、現在、ここまで話が進んでいるが、この分かれ道の最終決定はされていない。


現在の可能性として、 
・ 学生としてこのまま頑張り、サブクラス880として申請する決断をする可能性(当初の予定通り)        70%
・ SIRビザを申請し、(新米)cookとして1年以上働き、永住権にアップグレード申請する決断をする可能性  30%


どちらを選択するにしても、数年後、こんな事で悩んでたんやーとなる事でしょう。
さー、どうなることやら。



2005年8月12日 KAPPA