オーストラリア自転車で大陸横断 〜ナラボー平原越え〜
7日目 1999年4月23日
Caiguna は、朝 6:10(南オーストラリア州時間)に起きてシャワーを浴び、9時10分前に出発した。
ナラボー平原のゴール・Norsemanまでの366kmを、僕もフミも単純に3分割、3日間で走りきる予定だったので、一緒にbushcampしようと言う事になった。
けど、さすがに走る時はそれぞれのペースがあるので、「昼飯時に67km先のrest areaで!」 と待ち合わせをして、俺が先に出発した。
Caigunaのroadhouseを出て、すぐに Longest Straight Road の表示が出てきた。
このナラボーでは、何10kmと続く、ストレートをすでに何回も走っている。
オーストラリアで1番長いとなると、後々話題にしやすいが、実際走っている限りでは、20kmの直線も、146kmの直線も一緒だ。
それを走り出した。
昨日は、右つまり北側から風が吹いていたが、今日は南、つまり左側からの風だ。
出来れば、後ろから押してくれるような風が良いが、右か、左かだったら、左からの風の方がありがたい。(オーストラリアは左側通行)
ロードトレインとすれ違ったり、追い越されたりしても、ロードトレインの風圧「風のバズーカー砲」の衝撃を受けないからだ。

一度、Water Tankのある所で休憩し、lunch予定地まで走った。午前中、フミより先に出発したが、そのまま逃げ切るような形になった。
Rest areaの直前で、ちょうど見通しが(前後2〜3km)良かったので、スッポンポンになって、路上で裸の後ろ姿を写真に撮った。
前からの写真もオーストラリアなら現像O.K.なので、撮ろうと思い、ポーズを考えていると、後ろから車がやってくるのが見えたので、急いで服を着た。
結局、裸の後姿の写真のみ。イメージしていたよりは、車の数が多い。この写真で良しとしよう。

これを読んだ人は、Crazyと思うかもだな・・・
実は、現在は閉鎖してしまったが、アデレードにライダー・チャリダーの集まる宿“rucksackers”があり、そこで、「裸でナラボーを走る」と公言していたのだ。
何が意味あるかって?
皆無! 正直、今の僕でも理解できない、まるで別人の様だ
(何茶って。今はデジカメがあるから、堂々と写真を撮れるなぁ! 今度は、もっとすごいのを撮ろうとたくらんでます。I'm crazy!)
土〜月(月はAanzac dayの祝日)と3連休の為だろうか?Road Train の数が少なくありがたかった。
交通量が少なく、しかも平坦な直線道路で、前後の確認もしやすいので、午後はフミと横になり、2人で走った。
普段一人で、黙々と走るしかなく、2人で走りながら話をするなんて事はこの自転車の旅で一度もなかった。
それには色々と問題があるからだ。
・同じ方向に進むチャリダーに会うことが少ない。
・それぞれのペースがあるので、最初からそれをやろうという気にはならない(事実、今日も午前中は別々に走った)
・やっぱり2時間以上話すとなると日本人に限られる。
・交通量の少ない直線道路でないと、横並びで走れない。
以上のすべてをクリアにしないと無理なのだ。
反対に言えば、今回その条件が全てそろったのだ。話をしながら、走ると、やっぱり楽なのだ。
20km/h前後とちょっとペースは落ちたが、ナラボーの何もない所を走る俺達にとって、この変化はありがたかった。
車の反応も、又良い。みんなクラクションを鳴らしたり、派手に手を振ってくれたりする。1番すごかったのは、「陽気なおっちゃん」だ。
バンの車が僕らを追い抜いて、1km程先で、路肩に寄せて止まった。
「最初停まったでー」とフミと言ってて、「新聞社が写真撮るンちゃうん」って、冗談でフミと話をしていた。
段々近づくと、どうやらカメラを持って、俺達が走ってくるのを待っている様なのだ。
「オイ、どんなポーズをしようか?」と話しながら近づく。そして、ちょっとペースを落として、写真を撮られる。
きっと、「ナラボーのど真ん中を日本人チャリダーが2人走っていたよー」、と話の種になるんだろうなー。それも良いなー、と思いながら写ったのだ。
予定の休憩地点までは、まだ9km程あったので、ペースをあげ直して走り続けようとすると、
「STOP! STOP! ビールが車の中にある」と後からおっちゃんが言ってくるのだ。
「えっ? ビールを振舞ってくれるのー」と、思い、自転車を止めた。
後部座席のクーラーから、アイスで冷やされているVictoria Bitter Beerを「はい、afternoon tea」 と言って手渡してくれた。
「自転車で走っている最中に… しかも昼間から…」
けど、それもオーストラリアではO.K.! 1本いかせて貰った。もちろん、おっちゃんの手にもVictoria Bitter Beerが・・・。
運転している時から、すでに飲んでいた様だ。このおっちゃん、Brisbaneから一人で旅しているらしく、かなり陽気なのだ。
1本空けると、「ハイ、もう1本」と、差し出される。この人、えらい陽気やなー、
「まー、オージーはこれくらい陽気なのは普通かな」とも思っていたが、どうも、この人はかなり飲んでいる様なのだ。
最後、俺達が見送って、車が走り去って行く時も、スピードがやたら遅く、蛇行運転していた。
その後、僕達も40km程走ったが、事故していなかったので、無事走って行ったのだろう。
その突然のビール休憩の後、今日の野宿予定地まで40km程走ったが、ほろ酔いの為、頭がボーッとして、楽に走れた。
酒を飲んで走るなんて、危険だけど、ナラボーは交通量少ないし、何ぼほろ酔いで、注意力が欠けていても、
フミの後輪を見つめながら、あとをついていく位は出来る。酔って、とても楽に走れた。
しかし、半日話をしながら走ったので、やっぱりいつもと比べるとスピードが落ちる。
5:45-6:30までの最後の45分間は、お互い話をせずに、全力で黙々と走り、日没の直前、何とか滑り込みでRest Areaに入った。
Rest Area内でのcampは初めてだったけど、2人と言う心強さがあり、何の心配もなく、寝る事が出来た。

2005年9月3日
KAPPA 編集